冬の編笠山
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冬の編笠山(97.02.10)
冬の編笠山の登山について城戸仁さんが写真と文を提供してくださいました。
編笠山は昨年5月に続き、2度目の登頂でした。比較的楽に登れる山であ るにもかかわらず展望は抜群で、北アルプス・白馬連山から槍・穂高連峰、 乗鞍岳、御岳、中央アルプス全山、南アルプス・甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、 北岳、鳳凰三山、富士山と日本の主要な山々はすべて見渡せます。そして 何より、山頂に着いた瞬間に、八ヶ岳・権現岳、ギボシ、赤岳、阿弥陀岳 の迫力のある姿が突然視界に飛び込んで来るのが印象的です。今回は2月としては暖かい日で、景色もややかすんでいたので、山頂の展 望は期待できないかと思っていましたが、着いてみると上述の山はすべて 見渡すことができ、上々でした。寒いのにも関わらず40分以上も山頂に とどまって、いい気分を味わってきました。ただ、いい写真が撮れなかっ たのが残念です。何せシャッターを押したのが半年ぶりでしたから...。 やっぱり常に練習していないとダメですね。
ラクーン発 7:10 →(0:06)→ 観音平入口7:16 → (0:45 無雪期標準タイム1:00) → 観音平着 8:01 発8:17 → (1:00 無雪期標準タイム0:50)→ 雲海 9:17 → (0:44 無雪期標準タイム0:40) → 押手川10:01 → (1:29 無雪期標準タイム1:00) → 編笠山山頂 着11:30 編笠山 発12:13 → (0:19 無雪期標準タイム0:20) → 青年小屋 12:32 → ( 0:43 無雪期標準タイム ?) → 押手川 着13:15 発13:25 → (0:17 無雪期標準タイム 0:20) → 雲海 13:42 → (0:28 無雪期標準タイム 0:30) → 観音平 着14:10 発14:23 → (1:11) → ラクーン 着15:34
ラクーンのオーナー・専三郎さんに観音平の入口まで車で送ってもらい、 歩き始めたのが7:16。風が冷たく、耳が痛く感じました。ここからしばら くはアスファルトの道の上を歩くことになります。25分ほどでアスファ ルトの道路と別れ樹林帯へ。ようやく山歩きらしくなりました。樹林帯の 中は、風もなく暖かく感じられます。街中に住んでいると忘れてしまいが ちですが、やはり木々は大切にしなければと感じました。観音平へはここ からひたすら登り続けて20分ほど。体を慣らすには丁度良い登りです。
観音平までは雪も少なく、意外に早く着いたという感じでした。行く先に はこれから登る編笠山とその奥の権現岳が見えています。振り返ると南ア ルプスの主峰、北岳、甲斐駒ヶ岳が頂に雪を抱き、真っ白に輝いていまし た。一休みして再出発です。
グリーンロッジで登山者名簿に記帳した後、次のチェックポイント・雲海 を目指して再び歩き始めます。もうここまで来ると、体が熱くなってきて、 手袋をはずしたくなってきました。
雲海までは、緩やかな長い登り。ところどころ振り返ると白くかすんだ空 にぽっかりと富士山が浮かび上がり、幻想的な雰囲気をかもし出していま した。雲海ではウサギの足跡がきれいに残っていました。
雲海から押手川までは更に緩やかな登り。樹林も深くなり、雪の量もしだ いに増えてきます。押手川まで来ると、さすがに肌寒くなってきました。 観音平からここまでおよそ1時間半。寒くなければ休憩するには丁度いい ところです。
押手川から先は、いよいよ終盤戦。登りもきつくなり、雪もだんだん増え てきます。足を運ぶスピードも遅くなってきました。でも、一歩一歩足を 運んでいくうちに、少しずつ高度を増し、木々の数が少なくなり、展望が 開けてきて、今度は背後に甲斐駒ヶ岳や北岳が先ほどより、より一層高く 見えてきます。「随分高いところまで登ってきたなあ」と実感する瞬間で す。
樹林帯を抜けると、頂上が見えてきます。辺りはもう雪と岩の他は真っ青 な空しかありません。こんなところで足を滑らせると大変なことになるの で、一歩一歩慎重に足を運んでいきます。息も切れ、足もなかなか思うよ うに進みませんが、普段見ることのない素晴らしい風景が疲れを忘れさせ てくれます。
山頂に着くと安堵とともに、周りをゆっくり見渡す余裕が生まれます。そ して開放感からか喜びが体の奥の方から湧き出てきます。はるか遠く、北 アルプスの先っぽまで見渡せる大展望。間近に迫る岩と雪の権現岳や赤岳。 そしてふもとを覗けば、富士見高原ペンション村が小さく見えています。 富士見高原側からは、吹き上げる風が強烈で体ごと飛ばされそうになりま した。さすがに強風に煽られるとあっという間に体温を奪われてしまいま す。
山頂でおにぎりを食べ、40分ほど山頂の雰囲気を楽しんだ後、充実した 気分で下山に移りました。来た道を引き返すのではなく、一旦権現岳に向 かう途中にある青年小屋まで下り、そこから山腹を巻く道を引き返すこと にしました。青年小屋側の斜面は、登ってきた道よりも雪が深く、尻で滑 ったり、ずぼずぼ埋まりながら下りてきました。(青年小屋の入口は、ほ とんど上まで雪で埋まっていました。営業していればビールが飲めたのに ...)
楽しい気分で下山することが出来ましたが、さすがに観音平からラクーン までの道のりは長かったです。ラクーンに着いてからのビールのおいしか ったこと。大瓶を一人であっという間にあけ、ついつい 350ml缶にも手を 出してしまいました。
ラクーンの皆様のおかげで楽しい山登りが出来ました。朝早くから朝食や お弁当の準備をしてくれた南海子さんや、観音平の入口まで車で送ってく れた専三郎さん、本当にありがとうございます。また、是非おじゃまさせ て下さい。
冬の編笠山は、比較的楽とは言え、2500m を越える立派な冬山です。慎重 な姿勢が必要です。しかし決して冬山のスペシャリストだけの領域ではな く、ある程度の山の経験と、後は慎重な姿勢さえあれば誰でも登れます。 私だって山のスペシャリストではありません。4年ほど前からもっぱら単 独で少しずつ山に登っている者です。ポイントは良く晴れた日でない限り 登らないこと、天気が悪くなってきたらすぐに引き返すことです。冬の編 笠山で危険な箇所は、山頂直下の樹林帯を越えた辺りくらいです。ここは 雪崩が起こったり、足を滑らせたら取り返しの付かないことになります。 他は特に危険な箇所はありません。でもアイゼン・ピッケルは必須です。 (私は今回ピッケルを持って行きませんでした。が、次からは必ず持って 行きます。)
編笠山は手軽な山なので、まず無雪期に一度登ってみると良いと思います。 4月になれば、観音平まで車で入ることも出来ますし、4月後半には山小屋の営業も再開されます。ラクーンなら日帰りも楽勝ですが、私は山頂で 朝を迎えるために1泊することをお奨めします。参考までに昨年5月に権 現岳まで行ったときの記録を付けておきます。この時も権現岳周辺には雪 がだいぶ残っていましたが...。(権現岳の小屋で1泊しました)
●権現岳(96.05.25〜96.05.26)★第1日 清水 発6:00 → (2:56)→ 観音平 8:56 発 9:18 → 0:49(標準タイム 0:50)→ 雲海10:07 →0:36(標準タイム 0:40) → 押手川10:43 発11:01 →1:12(標準タイム 1:00) → 編笠山山頂 着12:13 発12:41 →0:19(標準タイム 0:20) → 青年小屋13:00発13:39 →1:19(標準タイム 1:40) → 権現小屋 着14:58
★第2日 権現小屋 発 6:35 →0:47(標準タイム 1:00) → 青年小屋 着 7:22 発 7:49 →0:43(標準タイム ?) → 押手川8:32 →0:21(標準タイム 0:20) → 雲海8:53 →0:23(標準タイム 0:30) → 観音平 着 9:16 発 9:44 → (2:54) → 清水 着12:38
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